「ミニFM放送局の作り方」 君にも出来る放送局 -2 (機材編)

の技術スタッフは、いろんな町に、ちいさくても楽しいラジオ局がたくさん出来る事を望んでいます。
このページはミニFM局の開局を目指す方や、既にミニFM局を運用している初心者を対象としています。
わかりにくい点や質問などが有りましたら遠慮なくメールにてお問い合わせください、理解しやすい様にページを更新して行きます。
のHPでは初歩的な事から専門的な内容まで全150ページに及ぶコンテンツが日本語と英語で掲載されています。


 
ミニFM放送局を始める為の機材
放送する為の機材が無ければ放送は出来ないので、それなりの機材が必要です。
このページでは、各機器に付いて少し詳しく解説します。

第一段階、最初に、そろえる機材

1. FMチューナー
2. FM受信用アンテナ
3. ステレオ・アンプ
4. スピーカー

これは電波を出す以上最低限必要な機材です。
送信した電波をモニターし、音を管理する為に無ければならない機材なのです。

1. FMチューナー
ラジカセやミニコンポなどでもFM放送は受信できますが、
音の違いや電波のコンディションの違いを判断したり識別するには高性能なFMチューナーが必要です。
金銭的に余裕が有るのでしたら出来る限りハイ・エンドの高級なFMチューナーの購入を勧めます、
高級オーディオ・ショップを何軒か訪ね歩けば、FMチューナーに詳しい店員に出会えると思うので、
高性能なFMチューナーは何が違うのかって事を学んでください。

多くのミニFM局を訪問しましたが、まともに音が管理されていないミニFM局の殆どが
ラジカセ程度の受信設備でしか無く、ひどい所は送信した電波をモニターしていないのが現状でした。
ミニコンポやラジカセでは音を正しく判断出来ないので最近よく言われている音の最適化など
音の識別が出来ないので、まともに出来るはずが有りません。

2. FM受信用アンテナ
いくら高性能なFMチューナーで有っても、それなりのアンテナが無ければ、FM放送の電波は
正しく受信出来ません、きれいにTVを見る為には都内でも誰もが疑いも無く各家庭で
8素子〜12素子位のTVアンテナを設置しています、
TVとほとんど変らない性質を持つFM電波を受信するためにアンテナを設置しないのは不思議な話しです。
まともなアンテナを設置することにより、今まで聴こえなかったFM局の存在には驚くはずです、
のある東京中野でも、34局に及ぶFM局の電波が受信出来ます。

フルサイズの5素子の八木/宇田/型アンテナ等の設置は、きっと貴方のFM放送の電波に対する世界を、
一変させる事でしょう。これは、今まで聴こえなかったのでは無く、貴方が(FM放送を正しく受信する為の努力をしていなかった)だけなのです。
もし貴方がミニFMに限らず放送を、やりたいので有れば放送電波を受信する努力を怠ってはなりません。
あらゆる放送を聴いて学ぶ事が、始めの一歩となるのです。

東京近郊で、受信できるFM放送局のリストを作って見ましたので、リストを参考に受信してみては如何でしょう。?
(表示fontは11p程度でIEでは文字のサイズ小(S)で表示すると多少見やすくなります。)OperaではZoom.80%でジャストフィット!
FMの電波は光に近い性質を持っているので同一周波数でも、局の方向や偏波面の違いで混信せず分離して受信が可能です。
送信位置の緯経度も表記して有りますので自身が受信すべき電波の方向など地図上から割り出せる事でしょう。
*のマークが入っている局は、で受信可能なFM局です、

 

 

(写真/左)
八木宇田型アンテナ5素子水平偏波

 

3. ステレオ・アンプ
チューナーからの音声信号を正確にスピーカに伝達出来る事が増幅器としての最低限の仕様です。
最近のステレオ・アンプは安くてよい物が多く出回っています、大きな音を出すわけでは有りませんが
多少出力に余裕のある物を選んだ方が良いようです。

4. スピーカー
表現力の高いスピーカーで変な癖や色付けが無く何時間聴いても疲れない音が出る物を選ぶのが基本
モニタースピーカーは長い時間、聴くので変な癖が有ると非常に疲れます。
また、音色に色づけが有る物は、音の基準が最初から、づれているので適切なリファレンスは得られません。

プロのスタジオ等で、高く評価されているモニター・スピーカーを推奨します、
部屋の問題等で大きなスピーカーを入れられ無い方には、耳に近い位置で使うニアフィールドスピーカーがお勧めです、 各社からシビアな音質等のチェック用に表現力の優れたニアフィールド リファレンス・スピーカーが発売されています。 新たに、モニターアンプとスピーカーの購入をするのであれば アンプ内臓のニァフィールドスピーカーが良いでしょう。
 
 
 
 

第二段階、次に、そろえる機材 (放送する為の機材)

1. FM送信機
2. FM送信用アンテナ
3. 音声送出装置
 a. ミキサー
 b. マイクロホン
 c. 音楽再生装置

これは電波を出し放送する為に必要な機材です。
FM電波を出す送信機、送信機に音を送出する為に必要な機材。
 

1. FM送信機
FM放送する為にはFM送信機が絶対必要です。
ミニFM放送用の送信機は数多く販売されています、価格も千円位〜10万円位までありますが、
1〜3万円前後の価格対の物が多くのミニFM放送局で使用されているようです。
しかし、価格からしてもわかる様にオモチャの送信機では、音質や性能は望めません。

ちょっと頭を冷やして考えて下さい、1万円の送信機は1万円の機材でしかないのです。
10万円の高級CDプレイヤーの音で有っても最後に繋がっている1万円の送信機の音しか出て来ません。

前章で説明している受信設備が整っていれば、この音の違いが単純に判断出来るはずです。
したがって使用する機材はFM送信機の性能によって機器を選択する事に成ります。
オモチャのFM送信機の性能を超える機材を揃えても無駄に成る事が理解出来ると思います、

残何ながら市販されているミニFM用の送信機の殆どがFM放送に必要なスペックを満たしていないのです、
送信周波数の安定度や信号のクォリティーなどFM放送の規格に合った電波では有りません。
市販されているミニFM用の送信機は電波の質や信号精度が極めて悪いので、
何をやってもオモチャの送信機からは、クォリティーの高い音質は残念ながら実現出来ません、
すべてFM送信機の性能で決まってしまうのです。

金銭的に余裕の有る方はミニFM用と称するオモチャの送信機ではなく、
放送規格のスペックを満たしたFM送信機の購入をお勧めします。
放送規格の本物のFM送信機は、その音質は言うまでもなく電波の質や周波数精度に至るまで、
格段の違いが有ります、出力に関してもミニFM局が使える小出力のFM送信機等、多種販売されています。
出力が強い場合は、アッテネーターなどで出力を制限して使用すれば良いので、全く問題は有りません。
電波の品質の違いは電波障害等に関してもミニFM用と称するオモチャの送信機より確実に安全です。
 

参考資料リンク
電波の強さをコントロールするアイテム アッテネータ (RF-Attenuator)

参考資料&HPリンク
なぜミニFM用の送信機からは良い音が出ないのかを、わかりやすく証明するサイト
/音の良い送信機とは!
猫にもわかる音が悪い理由−1 低周波編
猫にもわかる音が悪い理由−2 高周波編

参考資料リンク

ミニFM送信機/TR-10RDX What do you want to do with a toy of this "398" FM transmitter ? (special edition /TR-10RDX)

FM放送における電波の質 What is the Quality of electric wave
ミニFM局が出している音と電波の幅 Width of electric wave that mini FM station has output

送信機及び放送機器に関するリンク FM broadcast technical Link's
 

送信機の選定等に関してのアドバイスや質問はメールでお答えいたします。
また現在使用している送信機の性能評価や安全性に関しての測定依頼も受け付けています。
自分の使っている送信機を安心して使用したい方は性能を検証して見てはいかがですか?

 

このページでは、楽しいラジオを始めるための初歩的な事を説明しております。
したがって、このページは初心者を対象に解説しておりますので、高度なな技術の内容は存在しません。
FM送信機や変調機等の技術的なコンテンツを希望の方は、のページをご覧下さい。
には、君の求める全ての技術情報が存在する。

 
 

2. FM送信用アンテナ
どんなに出力が大きな送信機でも、送信アンテナが無ければ電波は飛びません。
高性能な送信アンテナは送信出力を10倍〜100倍に匹敵する事を認識してください。
前章で説明している受信設備が整っていれば、アンテナの重要性が理解できると思いますが、!

最近開局されるミニFM局の多くがアンテナに関して誤解している様です。
電波法の電界強度を越えない様にとの事かもしれませんが、室内からリード線等を
アンテナとして運用する話を聞きます、これは極めて危険な行為でしか有りません。
室内から電波を出すと、電波は反射し乱撹するので、電波障害を起こす危険性が高いのです。
またリード線をアンテナとした物は、マッチングや同調も取れていないので、
正しく空間に放出されないエネルギーが思わぬ電波障害を引き起します。
微弱電波と言えども100m電波が飛ぶと言う事は100mの範囲でテレビや他の、
通信機器に電波障害を与える可能性が有ると言う事を認識してください。

野外から正しく同調の取れたアンテナを使用するのが電波障害等に対してもベストです。
電界強度が電波法の範囲を越えた時は送信機の出力を絞りこんで運用します。

ミニFM局の場合、送信出力ではなく電波は電界強度で規制されているので、
多くの場合簡易なアンテナを使っているようですが、??...これは、大きな間違いなのです、
低い位置から簡易なアンテナで送信した場合電界強度は急速に減衰し飛距離が延びません。
また電波障害を起こす危険性も高いのです。

理想的なアンテナから送信された電波は物理的に理論値に近い減衰特性が得られるのです、
前章でも説明していますが、3m/500μVの電波は物理的に以下のように減衰します。
3m/500μV・・→10m/150μV・・→30m/50μV・・→100m/15μV・・→300m/5μV・・→1Km/1.5μV
高感度なFMチューナーの場合1.5μV程度の感度が有るので理想的に送信された電波で有れば、
1km以上の距離でも十分にステレオ受信が可能と言う事になります。
でも、これは理的な条件で設置され正しく調整されたアンテナから送信された電波で実現出来る事で有り、
安易なアンテナから送信しても広範囲な受信状態は実現は出来ません。

 

 

(写真/左)
八木宇田型アンテナ2素子垂直偏波

 
 
 
参考資料&HPリンク
Brains FM Broadcast LABO
高性能送信アンテナ Low Power FM Broadcast Antenna

参考資料リンク

ダイポール・アンテナ  coaxial cable Impedance Transformer for Dipole_Antenna 


 

 

3. 音声送出装置
 a. ミキサー
 b. マイクロホン
 c. 音楽再生装置
 d. 付加の装置

 

a. ミキサー
送信機に音を送る装置です、放送コンセプトや求めるクォリティーによって選択しましょう。
BehringerやSoundcraftやmackieのミキサーなどが低価格で、実用性が十分有るので推奨出来る物です。
現在販売されている多くのミキサーは、FM送信機の音声スペックを超えています。
目的に合ったチャンネル数+αの物の購入してください。
 

 

(写真/左)
BEHRINGER MX1604 /4BUS,16channel Analog mixer
 
 
(写真/右)
YAMAHA ProMix-01/18channel Digital mixer

手持ちの物でマイクやCDプレーヤーなどがミックス出来るカラオケ・アンプなどが、
有れば工夫次第で十分に使用可能なので活用しましょう。
 

b. マイクロホン
最も重要な事は貴方の伝えたいメッセージ(声)をリスナーにいかに伝えるかと言う事なのです。
高価なマイクで有っても貴方の伝えたいメッセージが再現出来なければ意味がありません。
サウンドコンセプトを考慮して声質に合ったマイクを選択しましょう。
試聴出来るオーディオ・ショップを探し自分の声質に合ったマイクを探す努力も必要です。
また、マイクが受け取った音声を有効に表現する為には、Voice Processor 等も
メッセージ(声)の表現には欠かせない機材です。

c. 音楽再生装置
CDプレーヤーやMDプレーヤーなどです、
前章で説明している様に送信機の性能に依存します。
高価なCDプレーヤーなどを使用しても送信機の性能以上の音は再現出来ません。

使用しているFM送信機程度の価格帯の機材で十分なはずです、????
しかしオモチャのミニFM送信機より安いCDプレーヤーやMDプレーヤーなどは無いかも知れません!!
FM送信機によってはCDプレーヤーやMDプレーヤーは、何を使っても同じって事なのです。
シビアな所で違いは存在しますが、ちなみに100万円以上するFM送信機でも帯域の制限が有るので
10万円のCDプレーヤーの音が100%再現出来る訳では有りません。(笑
FM放送における規格 (スペック)を理解しましょう、
その為にはFM放送電波の受信が重要なのです正しく電波を受信し音を聴く事で違いがわかって来ます。

放送で使用し始めると再生装置の耐久性に問題が生じます。
放送で使い始めると故障等が続発して来る様になります、しかし、それは使用頻度が高いので、しかたが有りません、
低価格機を頻繁に変えるか耐久性に優れた業務用機器を使うか、???
放送用の業務機器は音質と耐久性に優れていますが、低価格機が10〜20台以上も買える値段なので、価格的な事を考えると
低価格機を頻繁に交換するか業務機の耐久性を取るか考え方によってそのメリットも変わって来ると思います。


 

d. 付加の装置
通常の放送局は安定した音で放送する為にミキサーと送信機の間に
サウンドプロセッサーなる装置を入れて送出する音をコントロールしています。
サウンドプロセッサーとは、・・・
音量を安定させる「レベラー」、音を圧縮する「コンプレッサー」、
音の尖塔値を規格内に抑えるための「ピークリミッター」などの装置の事を言います。
音量を基準値内に保ち過変調を防ぐ為の装置です。
 

 

(写真)
FM Broadcast processor /COMBINATOR.
leveller /compressor /peek limiter
the Full auto operation

 
基本的には日本のFM放送電波の規格である占有帯域150kHz = 100%変調を維持する必要が有る為です。
ここで重要な事は再生される音の大きさでは無く電波の幅 (占有帯域)の事なのです。

電波の幅は信号の質や電波の質の違いによって変わって来きます、
ミニFM用のオモチャの送信機の場合、信号の質が極めて悪く電波の幅を占有しているので、
一般的な民放局の出している音量を出そうとすると100%変調である占有帯域(150kHz)を超えてしまうので、
受信される音が歪んでしまうのです。

FM電波のFM変調とは電波の幅の事なのです。
重要なのは音の大小にかかわらず、電波の幅(占有帯域=150kHz)が100%変調で有ると言う事なのです、
使用している送信機の性能によって変調度と出せる音量が違うので十分な注意が必要です。
上記の事を最低限、知った上でサウンドプロセッサーの設定をしないと使用する意味が有りません。
音量ではなく、電波の占有帯域(150kHz)でプロセッサーのリミッターを設定する事が必要です。

参考資料リンク

ミニFM局が出している音と電波の幅 Width of electric wave that mini FM station has output
 

■技術解説リンク等に関しては他のWebサイトのコンテンツを使っています。
 各Webサイトに協力戴いているもので、全て承認済みです。
 技術的な質問等に関しては、当サイトでもジャンプした技術協力サイトでも、遠慮なくメールにてお問い合わせください。
 どの様な放送をしたいのか等を明確にして頂ければ機材選定等に関しての疑問に対してアドバイスいたします。

 

ミキサー /マイクロホン /ステレオ・アンプ /モニター・スピーカーに関してはオーディオショップではなく
楽器店で探して見てください、最近では海外の製品が極めて低価格で出回っています。

以上、ミニFM放送をするための設備を解説しましたが、
放送機材の選定は局のコンセプト(放送内容)によって大きく変動します。
 
 
 

君にも出来る放送局-3へ、つづく
 
 
 

では、初歩的な質問から電波に関する専門的な内容まで、
各専門のスタッフが質問の難易度に対し適切に対応致します。
疑問、難問、珍問、遠慮なくメールにてお問い合わせください。

 
 
 
1 ミニFM放送局とは、
2 様々な所で親しまれているミニFM放送局
3 君にも出来る放送局-1
4 君にも出来る放送局-2
5 君にも出来る放送局-3
 
 


 
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modified on 2006/04/18