5.開局の準備
必要な機材が揃ったら開局の準備をしましょう。!
1.モニタリング
まずはFM電波の受信、
FM受信用のアンテナは設置してありますよね、電波を出す以上その電波を正しく受信できる事が基本になります。
既存の放送電波を正しく受信出来なければ自局の電波をモニターする事など当然出来ない話になります。!!
FM電波を正しく受信しモニタリングする事が
ミニFMを開局するための最初の一歩で有り、開局してからも最も重要な事柄です。
既存の放送電波を正しく受信出来ないので有ればミニFMの電波を出す資格は無いと思います。
取り合えず全ての周波数をモニターして見ましょう、
チューナーのダイアルをゆっくり回し100KHzステップで全周波数を、聴いて見ます。
良好な受信アンテナを設置することにより、今まで聴こえなかったFM局の存在には驚くはずです。
WildCat FMのある東京中野でも、(ミニFMを除く) 34局に及ぶFM放送局の電波が受信出来るのです。
2.送信周波数の決定
FMチューナーで全ての周波数をモニターして見れば、
何処の周波数で電波を出せば良いのかが自然にわかってくると思います、
既存の放送局へ影響を与えない、又既存の放送局の影響を受けない、有効な周波数が選び出せる事でしょう。
送信する周波数を選ぶ事に於いても電波を正しく受信できる事が最初の一歩であり基本なのです。
3.放送局名を決める
突然電波を出した時に、偶然ラジオを聴いた人は謎の電波に驚いてしまいます。
身元を明らかにする為にも、放送局名は必要です。
また偶然ラジオを聴いた人は、これからは大切なリスナーでもあります。
それらしくコールサインや正式局名、局愛称などを決めると、放送局の雰囲気も盛り上がってきます。
但しJO**-FMやJOZZ3**-FM等の既存の放送局が総務省から与えられた
正規のコールサインを、まねた付け方はやってはいけません。
JO**-FM何てコールサインを付け使用た時点で違法行為になります。
放送局のコールサインの頭に付く[JO**]は総務省が局免許に対し発効している
国際呼び出し符号なのです。
ちなみに、WildCat FMのコールサインは、WCAT-FMで放送局名がWildCat
FM
IDを入れる時は、
WCAT-FM.WCAT-FM、こちらはPerformance Broadcast
Station WildCat FMです。
この放送は中野区内において個人で運営されている、Performance Radio 放送です。
・・てな感じで身元を明らかにしています、電話番号のアナウンスの他、E-Mailアドレス等。
偶然ラジオを聴いた人に不信感を与えない様にする事も大切な事なのです。
4.試験電波
送信周波数が、決まったら試験電波の発射準備をします。
送信機の周波数のセットアップと微調整をしましょう、送信機に擬似アンテナ(ダミーロード)を接続し
送信機の電源を入れ設定されている正しい周波数で電波が出ているか確認します。
周波数カウンターが有れば送信周波数を確認して見ましょう、
ミニFM用の送信機は送信する周波数の精度の怪しいものが多いので周波数カウンターの確認を、お勧めします。
いくらPLLの送信機と言ってもミニFM用の送信機は価格もそれなりなので、
ほとんどの製品は送信する周波数の精度が出ていません。
アナログチューナーの時代なら問題が起こらなかった周波数のズレも、デジタルチューナー全盛の現在では、
約10KHz程度の周波数のズレは致命的な問題になります。
例えば88MHzで電波を出す場合許されるズレは、甘く見ても 88.00xxxxMHzの範囲内である事がベターです。
周波数がずれていると、
電波の飛距離が短いとか、距離が離れると音が歪む等の現象が起きます。
送信側と受信側で周波数のセンターがズレていては正しい送受信が出来無い事を理解しましょう。
試験電波の発射は不要なリスクを避ける意味で深夜に行ないましょう。
調整不良の送信機やアンテナからは思わぬ妨害電波が出る可能性が有るからです。
細心の注意を払ってください、テレビの画面は、大丈夫ですか?
微弱電波と言えども100m電波が飛ぶと言う事は100mの範囲でテレビや他の、
通信機器に電波障害を与える可能性が有ると言う事を忘れてはなりません。
細心の注意を払って確認をしましょう。
試験電波の発射時には、出来るだけ高性能なFMチューナーを使って正しいモニタリングを行ってください。
自局のサウンド・コンセプト等どんな音で放送するかの音の設定等も、テストします。
良い音を出したいと思うのは、わかりますが始めは聴きやすい音を基本に設定しましょう。
これが結構難しいのです、受信するコンポやラジオによって音が違うので、変わってきます。
また不用意に音量を上げたり、または高音域を上げるのは厳禁です。
音の基本はフラットネス・・・
FMの放送電波はエンファシスによって、高い音ほど帯域が広がるので隣接局への
電波障害を聴き起こす可能性が有るのです。
また試験電波の発射時は、必ずIDを入れ身元を明らかにします。
参考資料&HPリンク
WildCat FM /技術局 /きれいな電波と、いい音のために (特別編 追録_1)
ミニFM局が出している音と電波の幅
#.電波番外編その1
実際には電波が100m飛ぶと言う表現は正しく有りません、
何故なら発射した電波は消えて無くならないからです。
貴方が発射した電波は宇宙の果てまで無限に飛び続けているのです。
電波が100m程度で聞こえなくなるのはラジオの受信感度の、限界に達したのです、
ラジオの受信感度によって聞こえる範囲が変わってきます。
ラジオの感度差は、驚く事に50倍から100倍位の違いが有ります。
高感度なカーラジオ等では、驚くほど遠い所でも電波が受信出来る事があります。
6. 機材の最終チェック
試験電波の発射が問題なく終了したなら、!
機材の最終チェックをします、音を出す機器や送信機に目を奪われがちになりますが、
送信した電波を受信し確実にモニター出来る事が最優先です。
いわゆるエアーモ二ター、・・
自局電波の音声をきちんと受信再生出来て居ないと極端な話、電波が停止しても、
わからないので放送以前の話になってしまいます。!!...笑い話の様ですが、よくある笑えない事例です。
送信した電波の音はチューナーで受信した音を聴く(エアーモ二ター)が基本!!。
参考資料&HPリンク
WildCat FM /技術局 /きれいな電波と、いい音のために (特別編)
音声レベル・キャリブレーション - (特別編)
ミニFM局が出している音と電波の幅 - (追録_1)
FM放送における音の監視と管理 - (追録_2)
7. 開局
エアモ二もOK、聴きやすい音の設定も整えば・・・待望のミニFM局の開局です。
しかし・・・ミニFM局とは言え放送局には違い有りません。
法的には許可の要らない無線局であっても放送電波を出せば放送局と認識され
放送法の規制を受けることになります。
補足説明をさせてもらいますが、このことについては以下の文献
新・放送総監 第7章 2節 五(6)から
(6)第73条 第1項 第3項若しくは第4項又は第82条第2項の規定による検査
を拒み、妨げ、又は忘避したものは、6月以下の懲役又は20万円以下の罰金に処せら
れる(111条) (検査とは定期検査及び臨時検査である
最近、ミニFM無線局が若者間に流行しているが、これは、電波法第4条第1項一号で
「発射する電波が著しく微弱な無線局に相当するもので、無線設備から100メートル
の距離に、おいて、その電界強度が毎メートル15マイクロボルト以下のもの」と規定
されている。このため、これを越えるものを開設し又は運用した場合前途したとおり、
第4項1項の規定による免許がないのに開設し又は運用したことになり、罰則として、
1年以下の懲役、又は20万円以下の罰金となる。 また、この設備について検査があ
った場合これを拒み、妨げ、又は忘避した者は6月以下の懲役又は20万円以下の罰金
に処せられるから十分注意すべきである。
(注1)現在よく言われている3mの距離対して500μVと100mの距離対して15μVは、
物理的な電界強度は同一の物です。
(注2)現在の罰則は1年以下の懲役、又は100万円以下の罰金
上記のように法的にはミニFM無線局と言うかたちで、法的に無線設備の立入り検査などが行なわれます。
(電波法では電波を出せば無線局、放送波帯で出せば放送法で放送局です)
この第73条の検査とは放送局の立入り検査のことですので、ミニFMも
立派な放送局として法的に認識されていると言う「あかし」でもあります。
いいかえればミニFMも法的に認められた立派な放送局なのです。・・素晴らしい!!
当然ミニFM局と言えども検査を受けた場合、電波法で定められた基準値を満たした電波を
出していないと、基準内の電界強度で有っても規制の対象になるものと解釈されます。・・そりゃ当然だ!
ミニFM無線局が若者間に流行しているが」などと言う文章が入っている所など元・郵政省電波監理局放送部の
みなさんのミニFMに対してのご理解の深さが、うかがえる文面ではないでしょうか・?
それゆえに、ミニFMをやる上では、電波法や放送法に基づいてやってもらいたいと私たちは願ってます。
また法の基準を満たした正確で綺麗な電波、聞き安い音質で、あれば電界強度に関しては
現総務省の皆さんにも、多少のおめこぼしもしていただけると信じております。
参考資料&HPリンク
WildCat FM /技術局 /FM放送における電波の質
法が定めるFM放送における電波の質
#.電波番外編?/ミニFM電波100メートル放送の怪!!/無許可で出せる電波!!
最近電波法の規制で強い電波が出せないって話をよく聞きますが大きな勘違いです。
昔は、免許の不要な微弱電波の定義に
100メートルの距離に、おいて、その電界強度が毎メートル15マイクロボルト以下・・・・・
と記載されていたので100メートル位だったら無許可で電波が出せるてっな解釈からでしょう。
現在は3メートルの距離に、おいて、その電界強度が毎メートル500マイクロボルト以下・・・・・
と記載されています。 (物理的な電界強度は同一なのです。)
微弱電波の電界強度に関して物理的には昔も現在も変わっていません。
唯一変わったのは、その測定方法なのです。
住宅等が建て込んだ現在は障害物を避けて100メートルの見通し距離を確保し測定する事が
不可能な現状なので送信アンテナの至近距離まで近づいて測定する現実的な方法に変更されただけなのです。
障害物が無ければ、・・・
3メートルの距離に、おいて電界強度が毎メートル500マイクロボルトの電界強度!
イコール・・・・・
3キロメートルの距離に、おいて電界強度が毎メートル0.5マイクロボルトの電界強度!
って事なんだけど理解出来るかな??、物理的には同じ事なんです。
距離を多く表記した方が電波が遠くまで飛ばせるような錯覚や誤解を、招くよね!!
ミニFMの世界は、この様な無知や迷信が、当たり前の様に氾濫しているのが現状です。
これからミニFMを開局する方は迷信や噂などに惑わせず正しい技術と知識を学んで頂きたいと思います。
参考資料&HPリンク
成田・ロック・レディオ 猿にもわかるミニFMの電波?...
#.電波番外編その2(チョッと夢の有る話)
前にも、書いたとうり貴方が発射した電波は消えてなくなりません。
微弱な電波かも知れないけれど、・・・・
理論的に貴方が発射した電波は宇宙の果てまで無限に飛び続けるのです。
他の強い電波の混信を受けるかも知れません、しかし送信された電波としての存在は確かです。
次元と空間を超越した受信装置が、存在するのであれば何光年か先の宇宙で復調出来るかも知れないのです。
ただし貴方のメッセージが理解されるかは、別の話ですが???
送信された電波は物理的に減衰しますが消滅しません。
#.電波番外編その3(海外のミニFM)
アメリカのRamsey Electronicsと言う会社が販売しているミニFM送信機KITがあります、
FM25と言い海外のミニFMでは有名なです、下のリンクは、そのマニアルです。
[FM
SYNTHESIZED STEREO TRANSMITTER FM25B MANUAL]
この製作マニアルは36ページも有り詳しく解説されているのですが、
その内の9ページは、アメリカにおける電波法の解説や運用方法などが細かく書かれています。
日本のメーカーも、是非見習って欲しいと思います。
ミニFMに関して電波法の資料のコピーサービスがFCC(アメリカの電監)から24ドルで
受けられるるのでこれらを学習しなければならない事や、
テレビやラジオ他の通信機器等に電波障害が発生した時は即停波する事!
前文にも説明した事だが、既存の放送局のコールサインを真似てはいけない事!
局名のつけ方にいたるまで事細かく書かれています。
参考になるのでこれから開局する人や既にミニFMを運用している局長さんにも
是非読んで頂きたい資料です、26ページからが電波と電波法について書かれています。
今日から貴方は放送局の局長です。
微弱な電波のミニFM放送局ですが、放送を聞いているリスナーに
向かって楽しい放送をして下さい。
リスナーは他の放送局では聴けない身近な貴方の放送を待っているはずです。
身近な人へ、そして未来へ、・・・
this
is broadcast.!!
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各専門のスタッフが質問の難易度に対し適切に対応致します。
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