WildCat FM /技術局 /きれいな電波と、いい音のために (特別編 追録_2)
FM放送における音の監視と管理
音のレベルを正しく規正するキャリブレーション音源を公開したのは良いんだけど?
どうやって使うのかわからないとか?・・放送電波を出すんだったら、自ら多少勉強して貰いたいと考えます。
正しい音の基準レベルで送出する事は、BROADCASTの絶対条件である事を再認識してください。
音質を云々言う前に正しい音の基準レベルで送出する事が、重要な事は
音声レベル・キャリブレーションのページで詳しく述べていますが、
貴局は自分の出した音のレベルを正しく監視していますか、?!
FM放送における音の最大値
日本のFM放送における音の最大値(100%変調)は150KHz周波数偏移です。
FMの電波は、その名の通り「FM
= Frequency Modulation = 周波数変調」
音声信号によって発信周波数を上下に変動させ音声を伝達しているのです。
発信する電波の周波数を変動させる範囲が最大で150KHz(100%変調)と言う訳で、
この時に「一番でかい音」が出ている事になります。
受信側(FMチューナー等)は、この規格によって作られているので
さらに「でかい音」を出そうと思っても電波の範囲を超えるので音が歪んでしまうのです。
良い音で放送する為には、この最大値で有る150KHz周波数偏移と言う範囲を
維持しなければなりません。
したがってFM放送における音を正しく管理する為には、
電波の周波数偏移を監視しなければならないのです。
電波の偏移を見るためには、高価な装置が必要です。
この150KHz周波数偏移=(100%変調)と言うのは、あくまで電波の幅の事で有り、
FMチューナーから聴こえて来る音の大きさの事では無いと言う事です。
ミニFM用のステレオ送信機の場合電波の質が悪く幅が広いので、
民放局の出している音量に達する前に偏移が150KHzを超えてしまいます。
無理に音量を上げてれば音が歪むばかりか帯域が広がり
隣接チャンネルに障害をもたらすので注意が必要です。
FM放送における音を正しく管理する為には上記の様に、いろいろな問題点がありますが、
しかし、放送を聴いて貰う為にも、送出する音のレベルを正しく知る必要があります。
送出している音のレベルがわからないのでは話になりませんので、・・・
前文で説明した様に、本来の意味でFM放送の正しい送出レベルの監視には
ならないのですが、今回は出て来た音を見てみる事にします。
FMチューナーの音声アウトプットにレベルメーターを付けて見れば、
ある程度の音の監視が出来るのですが、音のピーク値を正確に見るためには
精度の高いピークメーターが必要です。
本物の高精度ピークメーターは、大変高価なのです、
高価なピークメーターよりオシロスコープをXYモードで使う方が遥かに安くなるので、
放送やレコーディングのスタジオ等の現場では、よく見かけます。
音のピーク値だけを見るので有れば、そんなに高精度のオシロスコープは必要ないので
5〜6万円位の物で十分役に立つのです。
昔、某所でミニFMをやって居た頃、精度の高いピーク・レベルメーターを使用するより
値段が安かったので、ほんどのミニFM局が音声レベルの監視にオシロスコープを
FMチューナーに、接続して使用していました。
当時、音声レベルの監視に手ごろな中古のオシロスコープが1〜2万円位で入手し出来たのです、
オシロスコープを使用する事によって送出レベルの精度が格段あがります。
1〜2万円位?、音のレベルを見る為だけにそんな金は出せないって言われそうですが??
現に私はミニFM局の相談を受けていると金が無いととか?
そんなに出せないって言われてます。(笑
でも、良い音で電波を出したいんだったら必要な所には、お金を掛けなくてはなりません。
必要な所にってのが重要なんですけど、・・・・
多くのミニFM局の場合、変な所にお金を掛けている様ですけどね。!!(笑
このページを見ている金欠ミニFM局向けに!!!
金が無いから出来ないなんて言わせない!
このページを見ているって事はパソコンが有るよな!
パソコンとフリーのソフトを使って精度の高い音声レベルの監視をする。
使用するソフトは、WaveSpectra パソコンはそれなりの物ならOK。
WaveSpectraは、色んな面で便利なソフトなので次回、別ページにて紹介したいと思いますが、
今回は、音の監視だけなので、XYモード・オンリーで使用します。
「詳しい使い方はソフトのマニアルを参照」
FMの放送電波を出している以上、ある程度の高性能なFMチューナー位は持っていると思うので
以下の様に接続し取り合えず既存の放送を受信してメーターの調整をして下さい。
過去にオシロスコープをXYモードで使った事が有れば、即実戦使用になると思いますが、
初めて使うと言う人は、画面の動きと音の関係が理解出来るまで、色んな放送をモニターして
見てください、見続けていると色んな事がわかって来ると思います。
既存の放送を受信する場合には、外部アンテナを使ってマルチパスのない良好な受信状態で
なければ正しい精度は得られません。
ここで、とても重要な事は出す音のレベルを見るのでは無く、
送信した電波を受信してその音声レベルを見る事なのです。
WaveSpectraのXYモードでFMチューナーのアウトプットのステレオ音声を見ると!
既存の放送を受信して音の状態をモニターする事が大切なので見てください、
見続けていると色んな事がわかって来ると思います。
この画面の中には驚くほどの情報が入っているのです、音の情報・・
左右の信号レベル、左右のバランス、位相、歪み、・・・
信号が歪む事によってマルチパスによる電波障害、等に至るまで、見慣れる事が最初の一歩。
既存の放送を受信して音の状態を見慣れて来れば、画面のレベル設定等、
自然に理解できると思いますが!・・・
参考までに、NHKが放送開始前に送出している1000Hzの信号は100KHz周波数偏移なので、
画面のレベル校正に使えます。!!
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さて、動きがわかって来た所で、既存の放送の音の大きさを参考に、
自局が出す最大の音量を決めて下さい、
前文で説明した様に、ミニFM用の送信機の場合、民放の出している音量に達する前に電波の偏移が150KHzを超えてしまう可能性が有るので、って言う前に確実に超えます。「ミニFM局が出している電波の幅」 (特別編 追録_1) を参照
4〜8dB程度低めに出す様にした方が良いでしょう。
L+R の音声信号
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L-chの音声信号 |
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R-chの音声信号 |
コンプリミッターを持っているので在れば、リミッテングポイントを見極め調整する事をお勧めします。
しかし通常のコンプリミッターは、FM Broadcast用では無いのでFMにおけるエンファシスを
コントロールしていないのでFM放送における正しい、リミッティング動作をしません、
あくまでも気休め程度にしかなりませんが、?? でも無いよりマシ
コンプリミッター持っていても正しいリミッテングポイントに調整されてなければ
なんの役にも立ちません。
本来のFM放送における変調(音)の管理は周波数偏移を見なければ
なりません、音の大きさでは無くあくまでも電波の幅で変調度が決まるのです。
皆さんが今まで、音をどの様に管理していたのかは、判りませんが?
本格的な変調(音)の管理とまでは行きませんが、
これでも監視していないよりは、はるかにマシ!
実際の使用例なんぞを、・・・・
最近はPCから音を送出する事が、一般的になって来ているのですが、
音を出しながらでもPCのライン入力にチューナーからの出力信号を入れる事で、
下の画像の様な事が可能です。
少し高度な使い方
音の送出にUSBオーディオインターフェースを等を使っているので有れば、
PCの音系が2系統になるので、電波に乗せる前の音とコンプ等のプロセッサを通して
送信→受信した両方の波形を同時に見る事が出来ます。
送信→受信で画面の色を変えると、わかりやすいかも!!
こんな感じってのを見てもらう為に無理やり詰めてキャップチャーしましたが
実際に使う時は画面が大きいのでウインドウを大きくとってます。
なお、技術的な質問等に関してはメールにてお問い合わせください。
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